<平成25年度>
本講座では共通の研究課題として“生活習慣病に対するワクチン治療の応用”を掲げ、初年度は研究者の個としての強さの形成、次年度は積極的な意見交換・技術の交流、昨年度は仕事の完成に向けて負けないことを目標にしてやってきました。皆の頑張りでこの目標はかなり達成できたように思います。学会発表では郡山先生が高血圧学会の最優秀若手研究奨励賞に選出され、2013年になり投稿中だった論文もいくつかアクセプトとなりました。1年目に種を蒔いた仕事は、3年間かけて少し形になってきたように実感しています。
今年度はこれまでの仕事を論文掲載まで粘り強く継続することに加えて、その先の臨床応用を意識したトランスレーショナルリサーチを実践していきたいと思います。生活習慣病に対するワクチンという目標に向かって、今年のスローガンは「一点突破」で励んでいきたいと思います。また、遺伝子治療学に在籍中から継続して行ってきた新規機能性ペプチドの難治性皮膚潰瘍患者への外用剤としての臨床研究を今年開始します。アカデミア創薬を目指した第1歩ですが、これも同じく「一点突破」の精神で前に進んでいきたいと思います。
健康発達医学研究会というセミナーを数か月に1度くらいのペースで開催しており、すばらしい研究をされている若手の研究者の方々にご講演いただく企画もしております。これまで下記の先生方にご講演をいただきました。お問い合わせいただけましたら、日程をアナウンスしますので自由にご参加ください。
第1回 |
阪大循環器内科特任講師 赤澤宏先生 レニン・アンジオテンシン系と心肥大 |
第2回 |
阪大臨床遺伝子治療学 武田朱公先生 認知症と糖尿病 |
第3回 |
阪大免疫フロンティア招へい教授(兼基盤研) 石井健先生 ワクチンの話題 |
第4回 |
阪大再生誘導医学寄附講座 菊池康先生 留学生活の話 |
第5回 |
阪大遺伝子治療学 佐賀公太郎 HVJ-Eと癌治療 |
第6回 |
旭川医科大学外科学特任助教 齊藤幸裕 癌と血管新生 |
第7回 |
阪大遺伝子治療学 林宏樹先生 ニトロシル化と疾患 |
第8回 |
阪大循環器内科特任講師 赤澤宏先生 アンジオテンシンシグナルと肥満 |
第9回 |
阪大免疫動態学教授 宮坂昌之先生 リンパ球のホーミングとリン脂質シグナル |
第10回 |
阪大循環器内科助教 中岡良和先生 アンジオポイエチン―1と冠動脈発生 |
第11回 |
阪大免疫フロンティア特任准教授 華山力成先生 死細胞の貪食とその異常 |
第12回 |
サウスカロライナ大学 Prof. Cui Taixing. Nrf2 in cardiac dysfunction |
第13回 |
阪大臨床遺伝子治療学 家串和真先生 マイクロRNAと循環器疾患 |
第14回 |
阪大循環器内科 内藤篤彦先生 新規老化関連分子 |
第15回 |
阪大循環器内科 真田昌爾先生 心不全の進展と内因性免疫 |
第16回 |
松本歯科大学歯科放射線学講座 田口明先生 歯科疾患と血管病 |
第17回 |
香川大学医学部薬物生体情報学講座 塚本郁子先生、同自律機能生理学教室 五十嵐淳介先生 新規合成核酸化合物COA-Clの薬理活性 |
共同研究先として、阪大医学系研究科遺伝子治療学(金田安史教授)、同臨床遺伝子治療学(森下竜一教授)、阪大微生物学研究所情報伝達分野(高倉伸幸教授)。また、工学系研究科環境・エネルギー工学専攻(西嶋茂宏教授)とも交流させていただいております。
研究内容にご興味がありましたら、共同研究などお問い合わせ大歓迎です。将来的には、我々の基盤技術を生かした臨床応用を目指していきたいと思います。